【第70回】申告不要制度の申告が不要になります

このタイトルでピンとくる方は非常にタックスリテラシーが高い人だと思います。

以前、所得が690万円以下の人は配当金を総合課税の方に入れることで配当控除が受けられるという記事を掲載しました。

配当控除を受けると所得税の税負担は分離課税よりも軽減します。

一方で住民税は税負担が若干上がってしまうため、住民税のみ申告分離課税のまま納めるために各市区町村の役場に出向き申告不要制度の申告を行わなければなりません

しかし、令和3年分の確定申告からつまり来年からはその手続きが確定申告だけで済むという方法に変わったので少しだけ解説します。

配当控除のおさらい

通常、株式の配当金は分離課税といって給料や事業所得の額とは別で一律約20%の税金を納めなければなりません。

しかし、それを給料や事業所得の額と合算することもでき、それをした場合は受け取った配当金の10%を納める所得税から控除することができます。

これが配当控除の制度です。

配当金は会社の売り上げから経費と税金を引いて残った利益から支払われるためすでに課税されたものです。

このため株主に支払った配当金にまで課税されると、会社の持ち主である株主は2回分の税金を納めたことになってしまいます。

このため配当控除という制度が存在するわけですね。

令和3年の税制改正

話はそれましたが、2020年12月に閣議決定された令和3年度の税制改正大綱にこのように記載されています。

 個人住民税において、特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の全部について源泉分離課税(申告不要)とする場合に、原則として、確定申告書の提出のみで申告手続が完結できるよう、確定申告書における個人住民税に係る附記事項を追加する。(注)上記の改正は、令和3年分以後の確定申告書を令和4年1月1日以後に提出する場合について適用する。

財務省HPより

一応気になる方はPDFファイルとしても置いておくので興味あればご覧ください。

これは非常にありがたいですよね。申告不要ですよとわざわざ申告しに行かなければならない、どんな皮肉だよ(笑)ってつっこみがはいりますよね。

しかし、今回の税制改正によってこれが一本化され確定申告するだけですべてが完了することとなりました。

印鑑制度をなくしたり、領収書等の電子保存の許可を取る必要がなくなったりと細かいけど非常に行政のすすめる簡略化が個人事業主にとってありがたい世の中になってきました。

テレビではいろいろと批判ばかりされていますが、こういった痒いところに手が届く政策は本当にありがたいです。

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