コロナショックを機にかなりの人が投資に目を向けるようになったのではないでしょうか。
私自身もコロナショックを機に米国株投資を始めた人間ですしそういった方は多いと思います。
それでもやっぱり投資のリスクを負うのは不安。
という方にピッタリな保険がありました。それがアクサ生命のユニットリンク。
今回はこの保険の不必要性を解説していきたいと思います。
目次
ユニットリンクとは
死亡・高度障害を準備しながら特別勘定の運用実績によって満期保険金額・積立金額などが変動(増減)する変額保険
アクサ生命ホームページより引用
投資に詳しくない人にとってはカモになりやすい商品なのは確かだと思います。
保険機能
掛け金に応じて死亡時もしくは高度障害発生時に保険金が受け取れます。
保証額は最低200万円から設定でき、加入時の年齢と保険期間によって月額の保険料が変動します。
例)30歳で30年間の加入で死亡保険金額が930万の場合、月額2万円の支払いになります。
投資機能
掛け金を特別勘定とよばれる投資信託で運用を行います。
その運用によるリターンによって満期時に受け取る保険金額が変動するというものです。
ラインナップは様々でそれぞれでリスクが異なっており、1つだけ選ぶのではなく掛け金に対して何%持つかという割合を決めれるようです。
ユニットリンクのメリット
死亡時に元本割れしていても保証額は確保できる。
仮にコロナショック前から運用しており、投資元本を大きく減らしてしまった場合でも契約時の保証金額は必ず支払われます。
不安に煽られやすい人が聞いて安心な一番な言葉、そう元本保証です。諸悪の根源ですね(笑)
ユニットリンクの欠点
最大の欠点は契約することです。そもそも契約してはいけないということを覚えておきましょう。
投資商品が微妙
正直投資として最適かなと思われるものが日本株式型と世界株式プラス型しかありません。
それら以外のものは参考としているベンチマークがあまり聞いたことがあるようなものではありません。
手数料が2%超える?
それぞれの投資信託において信託報酬が最低0.12~0.82%とかなり幅があるようです。
インデックス投資の基本として0.5%を超える手数料は割高なため、日本株式型か外国株式プラス型くらいしか選択肢はないと思われます。
但し、ユニットリンクの場合ではこれだけでなく保険期間中にかかる費用があります。これが厄介者です。
図で明記されているだけでも合計で年間0.85~0.95%の手数料が積立金から差し引かれます。
また、①の保険料の収納に必要な費用というのが明記されていません。
明記されていないものが安いわけはありません。
仮に一番手数料が高い日本株式プラス型を選択して運用した場合年間の手数料は1.77%以上になることが確定します。
10年以内の解約で元本割れがほぼ確定
10年以内の解約時には解約控除という訳のわからない大きな手数料が引かれます。
YouTubeで2014年11月から6年間ユニットリンクを契約しており解約した場合の払戻金を紹介した動画がありました。
支払い元本が210万円という状況で2020年9月まで外国株式プラスで運用していたそうですが約150万円まで減額してしまうようです。
またそもそも騰落率のグラフを見ると投資信託の値動きだけで換算すると6年間で30%の値上がりをしていたはずなのですが、積立金額(評価額)が約160万円しかありません。
つまり投資信託だけで運用すると約273万になっていたが、保険加入による手数料によって110万円中抜きされている可能性があるのです。
以上のことからユニットリンクに加入すると資産運用で利益を上げることができたとしても保険料のための手数料が大きいために結果元本割れを起こしやすいということが分かります。
死亡保障としても割高
先ほど例にもあったように30歳で30年間の契約で月2万円の支払いで930万円の死亡保障というのもかなり微妙です。
実際に被保険者が亡くなった場合に930万円というお金を遺族が受け取ってもそれだけで生活していけるという金額ではありません。そもそも死亡に対する保険として成り立っていません。
オリジナル「ユニットリンク」の作り方
ではこのユニットリンクと同じ資産運用と死亡保障をオリジナルでデザインしてみましょう。
モデルとしては30歳が30年間で月々2万円を運用と保険に使うと想定して試算してみます。
- 30歳男性
- 支払期間30年間
- 資産運用と保険で合わせて2万円の支出を計画
つみたてNISA+収入保障保険
私の考えではつみたてNISAと収入保障保険の組み合わせで十分に資産形成と死亡の保証はできると考えました。
では実際にシミュレーションを行っていきます。
非喫煙健康特約が適応される場合、死亡時に毎月10万円支給される収入保障保険の掛け金は月々1,770円となります。
この場合、資産運用に使える資金は18,230円になるためこれを年利7%を見込んでeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)で運用します。
このときの利回りを信託報酬分を差し引いて7%と仮定し、シミュレーションを行うと22,240,071円となりました。
また、収入保障保険を30年間支払い続けたときの合計額は637,200円となります。
ユニットリンク的な考えだとこの金額が手数料だとみなすことができます。
つまり毎月2万円の積立で最終的に22,240,071円になったと考えると実際の利回りは6.5%となります。
このことから上記のモデルで資産運用と保険を別々にして積み立てをした場合保険による手数料は0.5%になるということが分かります。
まとめ
- ユニットリンクは運用しながら死亡保障もある変額保険
- 10年未満で解約したら確実に元本割れする
- 運用コストも保険によるコストも高くデメリットが大きい
- 月2万円の支出でつみたてNISAと収入保障保険に加入する方がはるかにリターンは大きい