ちかごろはビットコインを筆頭として仮想通貨ブームが非常に加熱気味です。
というのもコロナ禍による各国の金融政策による影響がかなり大きな要因だと私は思っています。
世界各地でロックダウンにより経済活動を制限されてしまい国民の消費活動(お金を使う行為)も一気に低下してしまいました。
そこで各国の政府は無理やり国民の消費活動を促すために直接お金を配るという、いわゆる政府によるヘリコプターマネーをばら撒きました。
日本で言うと給付金、GoTo事業や休業補償などがそれにあたります。
目次
ヘリコプターマネーの問題点
国の政策によって経済が支えられていること自体は事実なのですがこれによって大きな問題が発生しています。
世の中の物には需要と供給にバランスが存在し何となく適正価格というものが存在します。
そのことを神の見えざる手といわれておりこれはアダムスミスという人の国富論という著書に記されています。
これを野菜で例えてみます。豊作だった場合市場に供給する数が多すぎるといくら値段が安くてもされも必要としないため農家さんにとって全く利益にならないという状況になることがあります。
これは供給曲線が右にシフトした状態で市場価格が低下してしまう現象を表しています。これを防ぐために農家さんは泣く泣く作った野菜を廃棄しているニュース(読売新聞より引用)をよく見かけると思います。
政府のヘリコプターマネーというのはまさに野菜の豊作による過剰供給と同じ現象なのです。
しかし、お金は野菜のように廃棄処分をすることはできませんから実際に市場に出回ることでお金自体の市場価値が低下してしまうという現象が起こってしまいます。
つまり政府のヘリコプターマネーによる問題は、あまりに過剰供給しすぎるとお金の価値が下がってしまい相対的にモノの値段が上がってしまうことです。これをインフレーションといいます。
インフレ対策で仮想通貨が注目
では現金を廃棄はできないので、どうすればよいのかと考えるときに通常であれば株式などに投資するのが通常なのですが供給される現金が本当に多すぎて株式すらも過剰に買われている状況が続いています。
このため世界中の投資家たちが目を付けたのが仮想通貨という暗号資産なのです。
特にビットコインがより多く注目されており、最近人気のある銘柄のテスラのトップ、イーロンマスク氏なんかがツイッターで話題になっていますよね。
このように世界中の投資家たちがこぞって現金資産を株式や債券でなく仮想通貨にして保有することで資産の減少を防ごうとしているのです。
では私たちが仮想通貨に関する問題点を次に解説します。
仮想通貨の利益は雑所得
この見出しだけでなんのことを言っているのか理解できる人は非常にタックスリテラシーが高い人だと思います。
雑所得とは給与所得と合算される所得のため累進課税として課税されます。一方で株式やFXによる利益にかかる税金は一律20.315%とされています。
このため給与所得と仮想通貨の利益の合計が694万を超えてしまうと株式やFXの利益にかかる税金よりも多くの税金を支払う必要が出てくるのです。
よく仮想通貨で1億儲かった人を億り人といわれますざっくり計算でも45%の4500万の所得税を住民税は1000万円払わないといけないので手元には半分も残らないのです。
また、損失が発生した場合に給与所得との損益通算はできません。これはかなりのデメリットです。
仮想通貨がETFに?
ところがいま世界各国の証券会社では仮想通貨を扱ったETF(上場投資信託)が発売され始めています。
たとえば2021年2月9日よりバミューダ証券取引所にて仮想通貨ETFの取引が実際に始まりました。
複数の仮想通貨が組み入れられておりこのETF1つで多くの種類の仮想通貨を間接的に保有することができます。
仮想通貨ETFのメリット
前述のとおり通常の仮想通貨による利益は雑所得となり総合課税の方に分類されます。
しかし、ETFとなると投資信託商品であるため株式と同じ分離課税扱いになります。このためどれだけ利益を上げても一律の税金しかからないという大きなメリットが生まれます。
また、損失が出た場合は損益通算を行い、3年間繰り越すこともできるようになります。
これは投資家にとっては非常にありがたいことです。
このように仮想通貨がETFとして販売されること自体が資産価値になる要素になると私は考えます。
このため、続々と仮想通貨ETFが出現することで仮想通貨の価値がどんどん上がっていくのではないかと私は考えています。
- 売買益にかかる税金が一律20.315%
- 損益通算ができる
- 上記のメリットより仮想通貨自体の価値が上昇する可能性がある