【第68回】3倍レバレッジETFの長期運用はダメ、ゼッタイ
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今回のお話は投資初心者にはあまりピンとこない話です。

ただある程度株価の値動きになれていろいろな銘柄を保有し始めた人にとって少し有益な内容になると思いますのでよろしくお願いします。

基本的に資産運用をするほとんどの人にとっての最適解としてS&P500指数連動型の投資信託であるeMAXIS Slim 米国株式をおすすめしています。

理由としては別の記事にも解説していますが基本的に過去200年の値動きをみて常に右肩上がりだからです。

そこに毎月家計管理によって生み出された余剰資金を積立NISA等で運用することで資産を増やそうと言っています。

ただここに誘惑の商品が登場します、それが3倍レバレッジETFの存在です。今回は3倍レバレッジETFの光と闇について紹介していこうかと思います。

レバレッジETFとは

そもそもレバレッジETFとはなんぞやというものなんですが、通常のETF(上場投資信託)は日経平均やTOPIX、ナスダック、S&P500等のような指数に連動するように株式を組み込みます。

レバレッジETFというのは簡単にいうと先物取引をいうものを利用したりすることで指数とは逆の値動きになるように運用したり(インバース型、ベア型)、指数の2倍、3倍の値動きになるように運用したり(ダブル型、ダブルブル)するものです。

そのなかで一番値動きの幅が大きいものがトリプルブル、トリプルベア、いわゆる3倍レバレッジと呼ばれるものです。

楽天証券より引用 ブル型とベア型の違い

要するに例えば日経平均が100円の値動きをみせると3倍レバレッジでは300円の値動きをするように運用されているのです。

このETFを持つことで少ない資産でも大きくお金を動かすことができるため指数よりも高いリターンを得ることができる反面、リスクも同様にあるというのが特徴です。

レバレッジETFの特徴
  • 日経平均やTOPIXのような指数の逆や3倍の幅で値動きするように運用されるETF
  • 指数の逆の動きをするETFのことをインバース型、ベア型という
  • 指数の2倍や3倍の動きをするETFのことをダブル(トリプル)ブル型と呼ばれる
  • 少ない資産や短期間でも大きな利益を得られる反面リスクも大きい

ここで1つピンとくるかもしれません。さきほど米国市場は常に右肩上がりなのだからこれに3倍レバレッジETFのブル型を長期で運用すれば3倍の利益を上げることができるのではないか?

そういったひらめきを覚えるかもしれません。では簡単に検証してみましょう。

3倍レバレッジETFの光~高パフォーマンス~

ではまず比較的短期間で2017年1月3日から2021年3月2日までS&P500指数と3倍レバレッジの値動き比較してみます。

2017年1月3日のS&P500指数の終値を1とし、翌日の値動きの割合を3倍にしたものを3倍レバレッジETFの値動きとします。

例)S&P500 の値動きが+2%だった時は3倍レバレッジETFは+6%とするということになる

御覧の通り圧倒的に差をつけて3倍レバレッジETFの勝利でした。最終的な値としてはS&P500が1.7と70%の増加、3倍レバレッジETFが2.9と190%の増加が見られきっちり3倍のリターンにはなりませんでしたがほぼそれに近いリターンを得ることができました。

では今度は10年間と比較的長期運用で比較してみましょう

3倍レバレッジETFの闇~低パフォーマンス~

同様な条件下で運用期間を10年に増やした時の値の変化をグラフにしてみましょう。

どうでしょうかS&P500指数の動きである青色の線が全く見えないほどほとんど同じ動きとなってしまいました。

そして最終的な値の比較をしてみるとS&P500は2.95となり195%増加、3倍レバレッジETFは2.90となり190%増加となんと指数よりも低パフォーマンスになってしまいました。

これでは何のためにリスクを背負って運用したのかわからなくなってしまいますね。そして今回のシミュレーションでは経費率を全く考慮していません。実際は3倍レバレッジETFは0.95%の経費率が掛かりますからもっとパフォーマンスは低下します。

実際に先ほど短期間でのグラフに経費率を考慮して再計算した場合だとこのようになります。

この時のパフォーマンスの差は20%で結局レバレッジETFを短期で運用してもなんとなくリターンが3倍になるというわけではないことがわかりました。

ではなぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか。

レバレッジETFに伴う逓減リスク

長期間の運用をすると結局指数に近いパフォーマンスになってしまうことを専門用語で逓減リスクといいます。

たとえば毎年交互に10%の上昇と5%の下落の値動きをする株式があったとします。

これを1倍から5倍でそれぞれグラフにしてパフォーマンスを出してみましょう。

条件
  • 1倍:  20%上昇と10%の下落を交互に繰り返す
  • 2倍:  40%上昇と20%の下落を交互に繰り返す
  • 3倍:  60%上昇と30%の下落を交互に繰り返す
  • 4倍:  80%上昇と40%の下落を交互に繰り返す
  • 5倍:100%上昇と50%の下落を交互に繰り返す

このように結果としては3倍レバレッジが一番成績が良く5倍は全く資産は増えないというパフォーマンスになります。

つまり、長期運用においてはレバレッジをかけても値の上昇の影響よりも下落の影響の方が大きくパフォーマンスが低下しやすいということです。

実際にグラフで示したように市場で出ているレバレッジETFも3倍までしか存在しないのはきっとそういうことなのでしょう、、、

まとめ

今回のお話ではレバレッジETFが必ずしも悪いものだと言いたいわけではなく、あくまで長期運用を目的としたものではないということです。

実際に私自身はコロナ禍で日経平均が毎日下落していた時はインバースETFを保有してかなりの利益を上げることができました。要は使い方を考えるべきだということです。

超短期的(数日〜1ヶ月)においての下落や上昇相場においてはかなり高いパフォーマンスを見せるのがレバレッジETFの強みだと思います。投資ではなく投機(ギャンブル)として用いるのが一般的です

保険と投資をごちゃ混ぜにしたような保険商品を買うのが良くないのと同じように投資と投機をごちゃ混ぜにして運用しては手数料負けしたり、思ったようなリターンを得ることは難しいです。

自分の投資方針をしっかりと明確にした上で資産運用していくようにしましょう。

  • レバレッジETFは指数の動きの2〜3倍の値動きをしたり反対に動くように運用する商品
  • 長期運用をレバレッジETFで行うと逓減リスクによってパフォーマンスが上がらない可能性が高い
  • レバレッジETFは超短期的トレードに向いている
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