- 楽天レバレッジバランスファンドを知らない人
- 株式のみの投資信託ではリスクが大きく不安だと感じている人
- 自分で株式と債権の比率をコントロールすることができない人
目次
楽天レバレッジバランスファンドとは?
2019年に楽天が売り出した比較的新しい投資信託の商品で通称USA360と呼ばれています。
簡潔に言えば、この商品は株式と債券の両方を組み入れて分散投資をしている投資信託商品です。
ここについて触れていきましょう。
株式と債券の関係は?
なぜそうなるか?という話をしだすと非常にもりもりな内容になってしまうため割愛しますが、株式と債券の関係はシーソーのようにどちらかが上がるとどちらかが下がるようになっています。
ただし、注意点としては債券の値動きは株式よりも非常に少なくかなり変動の幅は少ないです。
難しい言葉でボラティリティが小さいという表現をします。
要するに株式が1万円の値上りを見せた時、数百円程度で値下がりするというイメージですね。
ざっくりとこんなイメージを理解しておいてください。
楽天レバレッジバランスファンドは債券にレバレッジをかけている
さっき説明した通り、債券の値動きは非常に小さいためある程度の資金を持っていてもリスクが少ないです。
この特徴を利用してレバレッジをかけて債券を組み入れているのがこの投資信託の最大の特徴でもあります。
楽天レバレッジバランスファンドの構成は?
実際に中身を確認していきますが、ざっくりと株式がVTIで構成され資産の90%を占めています。
そして、この株式資産90%と残りの10%を担保に米国先物国債を270%組み入れているのです。
この90%部分と270%部分を合わせて米国360と呼ばれているのです。
メリット
では、わざわざこの構成にするのにはどんなメリットがあるのでしょうか?
暴落局面に強い
株式のみの構成の場合基準価格は下落しかしませんが、この商品の場合、債券の値上がりが株式の値下がりを少し打ち消すように動いてくれるためリスクが低減されます。
実際にこの投資信託の値動きとVTIのみの値動きを比較してみたYouTuberの方がいるので紹介しておきます。(2019年〜2021年までの間のみ)
赤線が楽天レバレッジバランスファンドの2019年11月5日からの値上げ率を表しています。
2020年の2月の急落はご存じの通りコロナショックですがここの下落幅に注目してみてください。
青線のVTIは約1.1から0.75とパーセントにすると35%も下落しています。
一方で赤線は約20%とVTIとの差がなんと15%もありました。
この15%の差は3倍のレバレッジをかけた債券による値上がり分によって相殺された部分ということになるわけです。
ちなみに、株価上昇局面や横ばいの局面(過去のチャートから)でもしっかりと米国株式よりリターンが上回っているというバックテストの結果も示されています。
株式と同等のリスクでリターンが高い
【分散投資においては、期待するリターンが同じ資産がある時、リスクの小さいものの方が良い】というごくごく当然のような現代ポートフォリオ理論(ハリー・マーコウィッツ氏提唱)という理論が存在します。
この理論で米国株式とUSA360のリスクをを比較してみるとほぼ同等であることが言えます。
また、その上でリターンを確認してみるとリターンはなんと2倍ほど違うではないですか!
つまりこの理論上ではこの投資信託を保有する以外の選択肢が存在しないということですね。
デメリット
これだけメリットを語るとなんだか胡散臭くなってきますね。このメリットの裏側にある闇みたいなのはないのでしょうか?
手数料がやや割高
これだけ優秀なリターンを見込めるのですが、あくまでレバレッジの投資信託ですから手数料が0.4945%とやや高めです。
ただし、あくまでインデックスファンドと比較してとの意味であり、他のアクティブファンドと比較するとはるかに安いです。
個人的には0.5%までの投資信託は許容範囲だと考えています。
まだ実績がない
運用開始が2019年の11月からとかなり若い投資信託なので実績がありません。
過去のデータからのバックテストでは好成績を出せていますが、新たな商品を売るにあたってバックテストでうまくいかないものを売るわけもないですよね。
実際に、USA360同様に暴落局面に強いと言われ人気であった3倍レバレッジバランスファンドはコロナショックにおいて株式よりも暴落してしまい多くの落胆の声が上がりました。
このため、米国自体が世界からの信用を崩すことが起こってしまうと債券も株式も下落してしまう可能性があるのではないか考えています。
22ヶ月運用してみた結果(月5万)
では私自身が毎月5万円を運用した結果を報告したいと思います。
- 投資期間:22ヶ月
- 投資額:1,100,099円(毎月5万円+楽天ポイントで購入分)
- つみたて目的:貯金代わりの運用、中長期運用でたまに取り崩してお小遣いにする
では評価額は2021年12月14日現在で1,423,124円で+323,024円でした。リターンで言うと29%になりました。
長期運用を前提としている場合はリターンは気にしません。
私の場合は中長期でたまに取り崩す目的なのでなるべくリターンが多い時や必要な時に売却したいと考えています。
- 楽天レバレッジバランスファンド(USA360)は株式(VTI)と債券(レバレッジ3倍)を組み合わせている
- 株式と債券はシーソーの関係にあり、株式の下落時には債券は上昇する
- 株式のみとのリスクはほぼ同等だが、リターンはUSA360の方が大きい
- レバレッジのファンドではあるが長期運用の対象としてもよいと思われる