株の売買で損が発生してしまったときには確定申告をすると翌年以降にメリットになります。
今回は損益通算とその損失額の繰越の仕方について解説していきたいと思います。
目次
損益通算の仕組み
まずは損益通算の仕組みから簡単に説明したいと思います。株式投資における収入にはキャピタルゲイン(譲渡益)とインカムゲイン(配当金)があると以前の記事でも解説していました。
インカムゲインは株式を保有さえしていれば常に入ってきます。
一方でキャピタルゲインは売買のタイミングによって買値よりも下落した価格で売却することで赤字になってしまうことがあります。
1年を通してキャピタルゲインとインカムゲインの合計額がマイナスになった場合この赤字部分は3年にわたって繰り越すことができ、これを損失の繰越といいます。
損失の繰越をしてみよう
では実際に実例を用いて損益通算と繰越を確定申告してみたいと思います。
例としては2020年の売買益が-120万で配当益が60万、損益通算すると-60万で計算を行っていきます。
早速、国税庁のホームページから確定申告の印刷して提出からアクセスしてデータ入力していきます。
次々と進んでいくと令和2年分の申告書等の作成というとこに行き着くので所得税を選択しましょう。
所得税を選択すると生年月日と質問があるので適切に入力して次に進みましょう
次へ進むと総合課税と分離課税の所得の入力画面になりますので株式等の譲渡所得等の入力するをクリックします
画面が変わると画像のように申告分離課税を選択しましょう。その後に下の「特定口座年間取引報告書」の内容を入力するをクリックしてください
楽天証券の場合PDFファイルでしか取引報告書は入手できないので書面を見ながら入力していく必要があります。
源泉徴収の有無は特定口座での取引であれば有を選択し、勘定の種類は取引報告書を確認しながらチェックしてください
入力する形式と取引報告書の表示形式はほとんど同じように表記されているため対応するところに淡々と数字を入力していくだけで簡単に入力できると思います。
これらの入力ができたら次へとサクサク進めてください、色々と確認画面が表示されすので確認だけしたら次へ進みましょう。
うまく金額が入力して翌年以後に繰り越される損失の金額が表示されました。これにより来年から3年間は毎年20万円分を利益から控除することができるようになります。
損金の繰越のメリット
この繰越をするメリットは仮に翌年に収支がプラスで利益が出た場合でも20万円分は控除されその分の税金が安くなるという点です。
例えば2021年は去年に懲りて一切取引を行わず配当金60万円だけを受け取ったとすると繰越分を控除して40万円の配当金による収入があったとみなすことができます。
分離課税の収入にはざっくりと20%の税金が発生しますから損金の繰越をした場合としていない場合では納める税金に約4万円の差が生まれるのです。
最後まで繰り越すことで合計12万円分の節税になるといくことですね。もし繰越のための確定申告をしていなければこの12万円は帰ってきません。
そのためこの確定申告には12万円の価値があると言っても良いということになるのです。