【第20回】学資保険を解約しました

私の家庭には1歳と2歳の子供がいます。

最初の子供が生まれたときに子供の教育資金として学資保険に加入しました

しかしここ最近でファイナンシャルリテラシー(かっこつけ表現)を身に着けた結果

まったくもって不要だと気付いてしまい解約することにしました。

その理由を解説していきます。

目次

学資保険とは

子供の教育資金を積み立てる目的の保険で約10年から13年くらい毎月もしくは毎年

積立金を支払うことで子供が特定の年齢に達したときに数年に分けて積立てたお金より少し多めの額を受け取ることができる素晴らしい(笑)制度です。

たとえばJAのこども共済でシミュレーションしてみると

JA共済のシミュレーション

今現在1歳のこどもが17歳になった時に22歳になるまで毎年50万円で合計300万円もらえるようにするには

こどもが11歳になるまで年払いでいくら積立てなければならないかというシミュレーションです。

これをしてみると

上記の条件での掛け金

年間で284,640円、月当たり23,720円を10年間支うことになるそうです。

これを完了すれば支払額よりも5.3%多い300万円を将来的に受け取ることができるのです。

さらに契約するプランによっては死亡保険も掛けることができ保険の役割も果たすことができる貯蓄性もあり保険の役割もある大変ハイブリッドないい商品に思えますね。

本当によく見えます。安心感があります。元本保証のいい保険。最高じゃないですか。

しかしあくまで表面上だと私は思っています。

資金拘束がある

まず第一にこれです。資金拘束が長いです。せっかく10年間かけて積立てたお金が17歳になるまで支給されず最終的に22歳になるまでおあずけを食らってしまうのです。

最初は国公立の学校へ行かせるための資金を積み立てていたけど子供が私立に行くことになってまとまったお金が必要になったためにやっぱり解約しに行ったら

元本割れを起こしてしまうなんてこともあります。

せっかく10年もかけて積立てたのに目減りしたなんて事態になったら最悪です。

もちろん保険期間内の解約は元本割れを起こすというリスクの説明はされていると思います。

このため契約してしまうと積み立てたお金は何があっても絶対に手を付けてはいけないお金になってしまうのです。

これが資金拘束が長いという意味です。

インフレリスクに対応できない

文部科学省よりの引用で平成元年から平成17年までの国立大学と私立大学の学費の推移を以下に示します。

左から国立大学の学費、入学料、試験費用。右が私立の学費、入学料、試験費用を示します

平成元年から平成17年になるまでに国立大学の学費は339,600円から535,800円までの増加で

17年で1.57倍ですから1年あたりに3.35%の割合で学費は増加傾向にあるということがわかります。

一方こども共済のシミュレーション結果から10年かけて支払った金額は22歳までに1.05倍の金額で受け取ることができます。

これは支払い終わった後からの計算で11年で1.05倍になったと考えると

1年で0.45%の増加率だったといえます。学費の増加率より少ないということは相対的に

1年ごとに2.9%の割合で教育のための積立資金が減少していると考えてもらってよいと思います。

せっかく長年かけてお金を積立てたのにいざ学費を払おうと思ったら学費が意外と賄えない可能性があるのです。

シミュレーションでは毎年60万円受け取ることができます。

積立開始時は学費は年間40万円くらいだったから学費を賄えるなと思っていたら

実際に受け取る時期になったら学費が60万円になっている可能性もあるのです。

これを仕方ないと思うか損をしたと思えるかでその人のファイナンシャルリテラシーが試されるのではないかと思います。

この現象がインフレリスクに対応できていないということができるのです。

正直むかしの100円札を今渡されても嬉しいでしょうか?これがインフレリスクです。

現金資産は長期保有をすると価値が下がってしますのです。

このことから私は現金は生ものと一緒だと考えています。腐っていくのです。

教育資金は投資で増やす

学資保険を使わずに学費を貯めようとしたらどうすればいいのでしょうか。

現金資産で保有しても結局腐って価値が下がってしまうし。

投資に回すのです。

これまでに何度も行ってきましたが投資期間を15年以上設定しS&P500の株価指数に投資すれば必ず資産が増えるというデータが出ています。しかも大体年利6%です。

学費のインフレ率を考慮しても資産は3.1%の利回りで増える可能性があるのです。

仮に前出の23,720円を15年投資で積み立てた場合と学資保険の利回りで積み立てた場合の積立最終金額を比べると一目瞭然ですね。

左は表面利回り、中はインフレ考慮の利回り、右は学資保険の利回り

しかし投資はやっぱり日々の値動きで元本割れのリスクがあって怖いと思う人がほとんどですよね。

だからこそ15年という時間の分散により株価変動の影響を最小限に減らす必要があるのです。

リスク分散には投資銘柄の分散と投資タイミングの分散があり、投資銘柄の分散は株価指数に投資することで可能となります。

投資銘柄の分散
投資期間の分散 ダイヤモンドより引用

時間をしっかり分散できれば安全に資産を増やすことができるのです。

しかも必要なタイミングで必要な金額を売却すればよいので資金拘束もなく精神的な負荷がかかることもないのです。

まとめ

学資保険は元本保証というメリットの代わりに資金拘束期間が長い

積立元本より金額は大きくなるがそれよりも学費の方が大きくなりやすい

投資で積み立てを行うほうが利回りが良い可能性がある

リスクの分散は投資先の分散と投資タイミングの分散でより効果的になる

いかがでしょうか、これでもやっぱり投資は怖いという人もいるのではと思います。

あくまで私個人の考えで、全ての人がやらなくてはいけないと押し付けるつもりは全くありません。

それでも本音は少しでも投資へ対するハードルを下げてくれるといいなと思います。

資本主義経済ではインフレは経済成長に伴って起こっています。

資産価値を増やしたければその経済に自分のお金を投資することでそのインフレに乗っかることができるのは当たり前のことなんだと皆が気付いてくれればいいなと

そしてそれをわかりやすく発信できればいいなと日々勉強しています。

これからの更新もぜひ見ていただけると幸いです。

今回は非常に長くなりました。閲覧いただきありがとうございます。

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