- 副業をしていないサラリーマンができる節税方法の紹介
- 初級編から上級編までの3段階に分けて具体的な方法を解説
- いずれかを実践することで所得税の還付を受け手取り年収のアップを目指す
まずはさらっと節税の仕組みについて図を使って説明します。
サラリーマンが支払う税金の決め方にはルールがあり、まず総支給額から生きていくうえで必要な経費(所得控除)を引いた金額(所得)をもとに所得税の税率が決定します。
この際に赤色で示された部分の控除は確定申告でしか適応できないため自分で行う必要があります。
逆に言えば確定申告を行うことで節税ができるというわけですね。
目次
初級編
ふるさと納税
ふるさと納税は自分が支払う住民税の総額の約2割を別の自治体に収めることで自己負担2,000円で返礼品を受け取ることができる制度です。
毎月給与から天引きされる住民税の総額の約2割がふるさと納税の限度額になっています。自分の限度額を確認してふるさと納税を行いましょう。
楽天経済圏の方は楽天市場から購入することでポイント還元も受けられるため、金額によっては自己負担分2,000円もポイントによって相殺することもできますのでおススメです。
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厳密には節税とは言えないところがポイントです。
つみたてNISA
節税の王道であるつみたてNISA制度は毎年40万円を限度に金融庁の許可を得た投資信託(一部ETF含む)を購入すると発生した利益にかかる税金が一切かからないという神制度です。
この制度を利用することで効率よく長期で資産運用を行うことができるため老後資金の形成に向いていると言えます。
ちなみに当ブログではつみたてNISAで買うべき投資信託はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)としています。
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iDeCo
イデコとは個人型確定拠出年金のことで、60歳以降に受け取れる年金を自分で資産運用しながら積み立てることができる制度です。また、それによって発生した利益に税金はかかりません。
これだけだとつみたてNISAとは何が違うのか?という疑問がありますが、1番の違いはイデコを利用した積み立ては原則60歳まで引き出すことが不可能になる(引き出すと課税される)という点です。
ただし支払った金額はすべて所得控除として計算することができるため収入の多い人ほど節税効果が高いです。
掛け金の限度額は自分の職場で退職金制度がない場合は23,000円/月、企業型の確定拠出年金に加入している場合は20,000円/月となっています。また、公務員は12,000円/月となっています。
この制度による控除は会社の年末調整で考慮されます。
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中級編
医療費控除
病院で支払った医療費の合計額が10万円以上かかったときは超えた分だけ所得控除することができます。(上限200万)
もし所得が200万円未満の場合所得の5%以上の医療費を支払った場合5%を超えた分だけ同じように所得控除を受けることができます。
負担した医療費は自分の分だけでなく同居家族全員分の医療費を1人が支払うことで控除額を最大化できます。また、家族の中で最も収入が医療費控除を利用するとが節税効果が高いです。
面倒な点としては誰がどの病院ごとに1年間でいくら支払ったかをきちんと一覧にして整理して保管しておく必要があります。(国税庁のページにフォーマットが用意されています。)
ちなみに医療費控除の注意点としては健康診断(人間ドック含む)にかかった費用は控除に含むことはできませんが、この際に病気が見つかって治療を行った場合は控除に含むことができます。
また、健康診断等でメタボリックシンドロームの診断をされた場合、医師の指示で厚生労働省指定のフィットネスクラブに週1回以上通えば、その費用も医療費控除の対象にすることもできます。
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セルフメディケーション税制
これはドラッグストア等で販売されているスイッチOTC薬品の対象となっているものを12,000円以上購入した場合、超えた分だけ所得控除を受けることができます。例えばロキソニンSなんかは対象薬品の1つです。
買った商品がスイッチOTC薬品かどうかはレシートを見れば確認ができるため、確認してみてください。
たいてい商品名に★がついているものが対象になっていることが多いのでしっかりと控えておきましょう。
注意点としては医療費控除を併用はできないこと、所得控除の上限が88,000円であることです。
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上級編
上級編は基本的に株式投資を行っている人向けです。株式投資を行っている時点で比較的マネーリテラシーが高いと思うのではご存知の方も多いかとは思いますが、それでも少数派だと思うので上級にしました。
配当控除
株式の配当は通常申告分離課税になりますが、総合課税として選択して確定申告することで受け取った配当金の10%が支払う所得税から控除することができます。
通常の所得控除と違い、所得税から控除できる点で非常にメリットが大きいです。
ただし、注意する点は年収が約800万以上ある人だと総合課税で支払う所得税の方が大きくなるので分離課税のままの方が安く済む可能性があります。
また、この申告をすると住民税が上がってしまうため、必ず申告不要制度の申告も行いましょう。2022年からは確定申告と同時に申告不要制度の申告も行えるようになります。
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外国税控除
外国株式の配当金を得ている場合、この外国税控除を受けることができます。
例えば米国で100ドルの配当が確定すると現地で10%の税金を引かれた90ドルを受け取ります、その後日本国内で20%(復興税0.315%は無視)がさらに引かれ実際には72ドルしか受け取ることができません。
外国税控除はこの10%部分を確定申告で取り戻すことができます。しかし、必ずしも全額が返ってくるわけではなく所得が多い人ほど戻ってくる金額も多くなります。
控除限度額の計算や記入の方法は比較的複雑ですが、米国高配当投資家にとっては非常に大事な控除なので必ずする必要があるものだと思います。
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番外編
この控除は比較的利用できる人が限られるため、番外編として紹介します。
住宅ローン控除
なんといっても最強の所得税控除はこれですね!毎年末の住宅ローン残高の1%を支払う所得税から控除することができます。
さらに控除額が支払う所得税額よりも大きい場合は住民税からも控除することができるため無駄なく税金が安くなります。
新築の場合の条件だけ載せておきます。
- 所得が3000万以下
- 床面積が50平方以上で半分以上が居住用スペースである
- 控除額はローン残高の1%(上限40万、条件満たせば50万)
- 引き渡し後6か月以内に住むこと
- 住み始めた年を含む前後2年以内に、長期譲渡所得の特例を受けていない
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育児休業の取得
通常育児休業を取得するのは妻の場合がほとんどで、夫がとることは現代でも増えては来ていますがまだ少ないのが現状です。
しかし取り方を工夫することで結構現実的に休みを取るかつ、大きな節税効果を生み出すことが可能です。
育児休業をその月の勤務日の月末に取得している場合、その月の社会保険料は免除になる、というルールがあります。
これは要するにその月の月末だけたった1日の育児休業を取得するだけでその月の社会保険料が免除になるということです。
例えば2021年の6月の場合は6月30日にたった1日の育児休業を取得すればいいのです。社会保険料は総支給の約15%近くが天引きされますからその月の手取り額が増えます。
- 健康保険料 標準報酬月額の約4.5〜5%(都道府県による)
- 年金保険料 標準報酬月額の9.15%
- 雇用保険料 0.3%(一般的な仕事の場合)
おおまかに総支給額の15%が天引きされている
また、取得する日をボーナス月にすることでボーナスから天引きされる社会保険料も免除になる可能性があります。この辺は会社によって変わったりするので経理の人に確認してみるといいと思います。
そして育児休業を取得した場合、会社負担分の社会保険料も免除になるため、会社にとってもうれしいことです。積極的に相談しましょう。
育児休業の申請は取得予定日の1ヶ月前にはしなければなりませんので必ず覚えておきましょう。
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