【第29回】ETFという選択肢

これまでは初心者派向けの投資商品として投資信託商品の話をメインに解説していましたが、今回からはETFについて語っていきたいと思います。

現在の私の保有資産はほとんどETFで保有していますしおそらく個人投資家のほとんどがそうだと思います。

これまで話してきた投資信託と比較して説明していきます。

目次

違いはスーパーの魚か、豊洲の魚か

一概に違いと言っても難しいので簡単にふんわりと例えていきますね。

私たちが魚を買おうと考えた時、通常であればスーパーなどの小売店にいって購入します。

では、今度はその魚を販売する小売店はどのように魚を購入するのでしょうか。

答えは豊洲市場のような市場でせりによる仕入れを行います。

そして、消費者がすぐに食べられるように加工して販売するわけです。

消費者と小売店と市場の関係

ここで、投資の話に戻すとETFは市場と小売店で取引されることを言います。

一方、投資信託は豊洲から仕入れた魚を小さく切って直接消費者に販売する魚です。

扱う魚(株式)は同じですがどこで買うかの違いがあるのです。

投資信託とは何が違うのか

では実際にETFと投資信託ではどこがどのように違うかを解説しましょう。

値段(時価評価額)が異なる

ETFは上場しているものを買うわけで、魚で言うとせりにかけられている状態です。

欲しい人の値段によって購入できる金額が変動します。

投資信託は仕入れされたものを消費者である個人投資家に販売するものです。

このため、直近の仕入れ価格をもとに、その日の売値が決まります。

そして投資信託の大きな特徴は好きな金額分を購入できる点です。

ETFは大きな魚と考えるとそれを「1,000円分だけください!!」とは無理な話です。

一方で投資信託では1,000円分になるようにお刺身のパックを買えばいいわけですから購入しやすいですよね?

手数料が異なる

ETFは何にも加工されていない魚をあつかっているため加工の手間がありません。

一方、投資信託は消費者が使いやすいように下処理をしたり、個装のパックに詰めたりします。

このため、ETFに関しては手数料が激安ですが、投資信託はETFより手数料が高くなります。

当たり前の話です、小売店に儲けが残りませんからね。

手数料が異なる理由

大きな違いは解説しましたが、その他を比較し易いように表にしてまとめました。

スーパーの魚 ETF
販売価格 スーパーが決める 株式市場が開いている間変動
取引時間 申込時間中の9時から15時の間 市場が空いている間の随時
購入できる所 証券会社、銀行、郵便局など様々 証券会社
購入方法 販売会社を通じて購入 株式と同様で指値や成行で注文
手数料 信託報酬がかかる(比較的高め)
※購入手数料がかかるものもある
購入手数料と信託報酬がかかる
※特定のETFは購入手数料無料
積立設定 可能 不可能
※SBI証券は可能
定額購入 可能 1株単位の購入
配当金 オススメしているものには基本なし あり
※約20%の課税あり
投資信託とETFの比較

これを実際の投資信託商品とETFに戻して比較しました。

投資信託 ETF
時価評価額 1日1回変動 株式市場が開いている間変動
取引時間 申込時間中の9時から15時の間 市場が空いている間の随時
購入できる所 証券会社、銀行、郵便局など様々 証券会社
購入方法 販売会社を通じて購入 株式と同様で指値や成行で注文
手数料 信託報酬がかかる(比較的高め)
※購入手数料がかかるものもある
購入手数料と信託報酬がかかる
※特定のETFは購入手数料無料
積立設定 可能 不可能
※SBI証券は可能
定額購入 可能 1株単位の購入
配当金 オススメしているものには基本なし あり
※約20%の課税あり
投資信託とETFの比較

どっちがいいの?

結論どっちがいいのって話なのですが結論から言うと投資に関する意欲次第ですというのが答えです。

楽天証券の場合投資信託は自動で積立設定を行えます。一方ETFは積立設定が行えません。

また、投資信託では定期的に定額で積立購入が設定できほとんどほったらかしで運用することができます。

一方、ETFでは1株単位での取引となり市場の価格変動もあるため定額の購入をしようとするのは少し難しいです。

これだけ聞くと投資信託のほうがいいじゃないかと思うのですがETFの方が格段に信託報酬が安いものが多いです。

例えば投資信託で普段から私がオススメしているeMAXIS Slim (S&P500)の信託報酬は0.0968%となっています

一方で同じ投資先の米国市場に上場している世界最大の資産運用会社の1つであるバンガード社が出しているVOOという商品の信託報酬はなんと驚異の0.03%となっています

しかもこのVOOという商品は配当金も出ており2020年7月現在で利回り1.8%分受け取ることができます。

但し、米国ETFはドルで取引されるのでドルで購入し、ドルでの配当を受け取るため為替リスクをもろに感じることになります。

投資信託では基準評価額に為替変動の影響も受けて円換算されるためあまり為替リスクを実感できないです。

投資信託では自動的に再投資されているので実質的には再投資されているのですが実際に配当金を手元に受け取りたい人にとってはETFの方がオススメだと言えます

逆に自動的に定額を自分の手で行わない事に手数料を払うことを許容できる人は投資信託でいいと思います。

あくまで高い手数料と表記していますがETFに比べてという意味で信託報酬が格安な投資信託もあるのでご安心ください。

実際に私自身は子供の口座は自動的に投資信託で積立を行っており、自分の名義講座では米国ETFをメインに運用を行なっています

米国ETFは配当金がもらえる商品が日本の市場よりも数多く存在しているため魅了があります

これらの紹介はまた今後にしていきたいと思います。

まとめ

まとめ
  • ETFは上場投資信託のことを指し通常の株式と同じように売買される
  • ETFは投資信託と比べて信託報酬が安く実効利回りが大きくなり易い
  • 楽天証券では定期購入、定額購入は自分で行わなければならない
  • 投資信託とETFとでは運用に手間が異なり自分の性格を考えて選ぶと良い

今回は以上となります

家庭環境が大きく変化し更新頻度が下がってしまいました。申し訳ありません。

頻度は下がる分、質の高い内容を提供したいと考えていますのでよろしくお願いします。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事