普段の支出を抑えたうえでまず投資の前に生活防衛資金を貯めましょうとこのブログで語っています。
その目安はわたしの考えとしてですが給料の半年分くらいにしましょうと言いました。
月30万の給料ならば180万円くらいですね。
よく身近な人と話していて本当にこれだけで足りるの?けがや病気でしばらく働けなくなったらどうするの?
こういうことを聞かれることがあります。
支出をしっかりと平均以下に抑えることができていればケガや病気で仕事をしていない期間の生活費は生活防衛資金からの取り崩しは少なくて済むと考えています。
もし病気やけがで仕事をしばらく続けれない状態になった場合は傷病手当金を受け取ることができます。
普段はサラリーマンとして働き週末に農業を営む兼業農家は特に知っておくべき知識ですのでよく読んでほしいです。
目次
傷病手当金とは
病気やけがにより(仕事中は除く)一定期間働くことができなくなった場合に健康保険から支給される手当金のことです。
日本人には労働の義務がありますが、それ以前に健康で文化的な最低限度を過ごす権利が保障されています。そのためのセーフティーネットといえる制度ですね。
注意点としては国民健康保険には傷病手当金の制度が存在しません、会社で働き協会けんぽに加入している場合のみですので注意が必要です。
この手当金によって一定期間収入がなくなってしまってもお金に困らずに生活することができます。
その金額は過去1年の平均月収、いわゆる標準月額報酬をもとに計算されます。
いくらもらえるの?
傷病手当金は1日当たりで計算され休んだ日数に応じて支給されることになっています。
支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額の平均とは簡単に過去1年分の平均の総支給額だと考えていいです。
厳密にいうと交通費は含まれないので差し引く必要はありますが、だいたいで結構です。
そのため毎月30万の総支給がある人は1日当たり約6,666円支給されることになります。
総支給の67%が支給されるわけですが、以前の記事で総支給から引かれる税金(社会保険料や所得税、住民税など)の割合が大体20~25%くらいだと説明しました。(第24回参照)
このことから傷病手当金はほとんど手取り額に近い金額を受け取ることになるのです。
ちなみに雇用保険から支給される育児休業給付金も開始日から半年間は同じ割合で支給されます。
どうやったらもらえるの
傷病手当金をもらうには条件がありますので注意が必要です。
1.業務外であること
勤務中の病気やけがは労災保険からの支給となり、分けて考える必要があります。
2.病気やけがで仕事ができないときに支給される
当然のことですが働ける程度の病気やけがでは支給されません。
3.休業した期間に給料が支払われていない
あくまで会社からの給料が出ないことで生活苦にならないようにするための制度です
会社からかわいそうだから少ないけど少し給料を出すよと言われてそれを受け取ってしまうと受給額が減額、もしくは受給ができなくなってしまう可能性があります。
4.最低でも3日間の待機期間が必要で支給されるのは4日目から
連続する3日間の待機期間があって初めて傷病手当金が支給されるようになります。この待期期間は給料を受け取っていても問題ありません、つまり有休でOKです。
待機期間の考え方は協会けんぽHPにも記載がありますのでここはよく見ておいたほうがいいです。
いつまでもらえるの?
傷病手当金の最大受給期間は1年6か月あります。
ちなみに実際に受給していた人の受給日数のデータがこちらです。
もっとも多いのが31日間、つまり1か月間受給している人が最も多く61日以上受給している人は全体の1割程度みたいですね。
つまりケガや病気で長期間働けなくなった人の約9割が2か月以内に仕事に復帰できている【可能性】が高いのです。
あくまで【可能性】という言葉を使っているのには理由があり、傷病手当金は受給期間に会社を辞めていても支給はされるからです。
このため受給期間の終了後にまたすぐに同じ会社で働きだしたかどうかはこのデータからは読み取れません。
ただ受給を終了していることから少なくとも体は治っているとは思われるわけですから次につながる行動はとれるのではないかと思います。
どのように備えますか?
このように会社で働く限り、病気やけがによるリスクの保障は普段収めている税金から十分になされていると私は考えています。
職務中の病気やけがは労災保険。それ以外は傷病手当金。
これによりある程度手取り額に近い金額を給料が発生しない期間は支給されます。
会社員という身分は制度的にしっかりと保護された身分だと感じますね。
以前私は乗用管理機に乗っていた時に危うく用水路に落ちるところでしたがもし落ちてしまって長期間働けなくなってしまったらもちろん傷病手当金を受け取ることができるのです。
普通のサラリーマンと違って事故によるけがのリスクが高い農業サラリーマンにとっては非常にありがたい制度ですね