【第97回】徹底検証!一括投資とつみたて投資の違いはなに?過去15年でくらべてみました。

「落ちる、落ちる!」といわれ続けて一向に下落することがない米国株。

その中で、「積立投資よりも一括投資のほうがリターンがでかくなるんじゃね?」という意見が多く見受けられます。

私としては本来はどっちが良いかというものではなく、どのように違うのかを理解すべきだと考えています。

今回はこの違いをわかりやすく解説していこうと思います。

 

目次

一括投資

投資するタイミングがリターンに大きく影響する。

多額の資産が必要。

右肩上がりだと利益は最大化、暴落を受けると長期間含み損のリスクあり。

一括投資のイメージ図

つみたて投資

投資するタイミングがリターンに影響しにくい。

毎月一定額の投資額が必要だが少額でも可能。

右肩上がりのものだと常に高値つかみになるが、暴落してもドルコスト平均法によりリスクが低減。

つみたて投資のイメージ図

一括投資と積み立て投資を比較しよう

では実際に存在する指数をみながら一括投資とつみたて投資をそれぞれ行ったと時のリターンの違いを比較してみましょう。

条件は以下のように設定しました。

比較条件
  • 投資期間は5年,10年,15年とする
  • つみたて投資は毎月1万円をそれぞれの株価指数に積み立てた場合を考える
  • 一括投資は投資額を、60万(5年), 120万(10年), 180万(15年)とする
  • 比較する指数はTOPIX, S&P500, MSCIコクサイ(先進国指数)とする
  • ドル円のレートは固定で1$=100円とした。

TOPIX(日本株式市場)の場合

TOPIXの場合をまずみてみましょう。5年、10年ともに一括投資の方が成績がよかったですが、20年になるとつみたて投資の方が成績が良くなってますね。

TOPIX 5年(60万円) 10年(120万円) 20年(180万円)
一括投資 ¥904,177 ¥3,116,842 ¥2,203,266
つみたて投資 ¥715,280 ¥1,788,342 ¥2,908,220

S&P500の場合

S&P500の場合は為替の影響を考慮していないため実際にこの金額にはなりませんのでご注意ください。

S&P500 1$=100円 5年(60万円) 10年(120万円) 20年(180万円)
一括投資 ¥1,272,367 ¥4,836,792 ¥6,127,972
つみたて投資 ¥945,407 ¥2,534,875 ¥4,830,994

先進国株式の場合

先進国株式指数に連動している投資信託があったためその基準価格で計算を行いました。

このため実際の為替変動、維持管理手数料、配当金再投資の影響を受けていますから非常に正確な数字になっています。

商品名:インベスコ MSCIコクサイ・インデックス 詳細はこちら

先進国株式指数 5年(60万円) 10年(120万円) 20年(180万円)
一括投資 ¥1,295,150 ¥5,664,802 ¥4,590,357
つみたて投資 ¥920,307 ¥2,528,847 ¥4,562,810

結果はあくまで過去のもの

今回の比較結果ではTOPIX以外全て一括投資の方が成績がよかったということでした。

この結果から一括投資をしましょうという結論には、残念ながらなりません。

どちらがよかったというよりもどっちも資産は増えているという点に着目しましょう

その上で、自身が取りたいリスクを考慮すべきだと、私は考えます。

私の選択

かといって【選択は読んでいる方にお任せします!】と言っては何のためにこの記事があるんだと言われてしまいそうです。

ちゃんと私自身の見解と選択を述べていきますので参考にしてくださいね。

一括投資はジュニアNISAでする

ジュニアNISAの新規買い付けは2023年をもって終了します。

つまり、積立をしたくても期間がそもそもあと2年しかないのです。

2年間ではドルコスト平均法は成り立ちませんから、いっそのこと年の初めに限度額80万円を一気に買い付けてしまった方がリターンが取れるでしょう。

それ以外はつみたて投資で

反対にそれ以外の投資はすべてつみたてでいいと考えています。

これは私の投資に対するスタンスが基本的に【リスクを最小限に資産を増やす】というところから来ています。

この比較でわかったつみたて投資のいいところはどの指数に投資しても確実に資産が増えているという結果です。

そもそも私自身にはどの銘柄が将来10倍や100倍になって100万円が数億円の資産になるかなんてわかる能力はありません。

そんなの一部の天才のみだと思います。ただネット上にはそういった自称天才?みたいな人が結構います。

そういった人たちは大概 声が大きいので、投資初心者が情報を集めようとすると、その声のでかい人に目を止めるでしょう。

そういったことで【投資とはギャンブルじみたもの】と捉えられる可能性があります。

スポーツといえば?ときかれたら野球、サッカー、バトミントンと様々ありますよね。

じゃあ投資といえば?と聞かれると、「成功すれば、一生遊んで暮らせるギャンブル!」みたいな考えを持ってしまう人が多いのです。

まとめ 

今回比較のためにだした指数は以下の投資信託で実際に購入することが可能です。

TOPIX:eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 信託報酬0.154%

S&P500:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 信託報酬0.0968%

MSCIコクサイ:eMAXIS Slim 先進国株式インデックス  信託報酬0.1023%

  • 一括投資とつみたて投資を比較するとTOPIX以外は全て一括投資の方が資産は増えた
  • どちらの投資スタイルをとっても資産は増えた
  • ジュニアNISAは投資期間が限られるため一括投資がおすすめ
  • それ以外の場合、投資初心者はつみたて投資が比較的リスクが低いためおすすめ

はるさめ
どちらもメリット、デメリットがあるため、自分にとっての最適解を考えましょう

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